相続コラム
相続税の申告後、税務調査の連絡が来たら?
慌てないために知っておきたいこと
「相続税の申告が終わってほっとしていたところ、税務署から連絡が来ました。どうすればいいのでしょうか…」
相続税の申告を終えた後、税務調査の連絡を受けて不安になる方は少なくありません。「何か間違えたのだろうか」「どんな準備が必要なのか」と戸惑われるのは、とても自然なことです。
税務調査は「申告内容の確認」であり、必ずしも不正があるから来るわけではありません。調査の流れと対応のポイントを正しく理解しておくことが、落ち着いて臨むための第一歩になります。
今回は、ご相談にいらっしゃった島村さんのケースをもとに、相続税の税務調査について分かりやすくお伝えします。
島村さん(70代・女性)は、昨年ご主人を亡くされ、相続税の申告を無事に終えられました。ご自宅のほかに預貯金や有価証券など、まとまった財産があったため、申告書の作成は専門家にお任せされたそうです。
申告から少し経ったころ、税務署から「一度お話を伺いたい」という連絡が届きました。「何か問題があったのかと思って、夜も眠れなくて」と、お顔が青ざめた様子でご相談にいらっしゃいました。
税務調査の連絡が来た事実は変わりませんが、仕組みを正しく理解することで、必要以上に不安にならずに済みます。まず、税務調査とはどのようなものかを確認していきましょう。
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そもそも税務調査とはどんなものか
相続税の税務調査とは、税務署が申告内容を確認するために行う調査です。申告書に記載された財産の内容や評価方法、漏れがないかなどをチェックします。
調査があるからといって、すぐに「申告が間違っていた」ということにはなりません。調査は、一定の基準をもとに選ばれた申告に対して、より丁寧に内容を確認するために行われるものです。
調査の方法には、主に税務署に書類を提出して確認してもらう「書面照会」と、実際に調査官が自宅や事務所を訪問する「実地調査」があります。
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調査で確認されやすい財産・項目とは
税務調査では、申告書に記載されている内容全体が対象になりますが、特に確認されやすい財産や項目があります。
よく確認されるのは、生前に動いていたお金の流れや、家族名義の預貯金(いわゆる「名義預金」)です。亡くなった方の通帳の履歴をさかのぼって、大きな出金があった場合などは、その使途が確認されることがあります。
調査で確認されやすい主な項目
- ✦名義預金 家族名義だが実質的に亡くなった方のお金だったかどうか
- ✦現金・手元資金 自宅保管の現金や、通帳に反映されていないお金
- ✦生前贈与 過去に贈与があった場合の申告の有無や内容
- ✦土地・不動産の評価 評価方法や特例の適用が適切かどうか
島村さんの場合も、ご主人が長年かけて積み上げられた預貯金について、通帳の動きを確認したいという連絡でした。「思い当たることがない」という場合でも、書類を整理して丁寧に説明できる準備をしておくことが大切です。
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調査当日の流れと心がまえ
実地調査の場合、調査官が自宅を訪問し、申告書や関係書類をもとにお話を伺う形で進みます。時間はおおよそ半日程度かかることが多く、家族の方への質問も行われます。
調査当日は、税理士が同席することができます。申告を依頼した税理士がいる場合は、必ず事前に相談し、当日も一緒に対応してもらうようにしましょう。
📌 申告時に「税務代理権限証書」を提出しておくと
税理士に申告を依頼する際、「税務代理権限証書」という書類を一緒に提出することができます。この書類に事前通知を税理士のみに行うことへの同意を記載しておくことで、税務調査の前に税務署が行う事前通知を、税理士だけが受け取ることができます。
島村さんのように、ある日突然ご自身のもとに連絡が来て戸惑う、という状況を避けられるのがこの仕組みのメリットです。税理士がまず事前通知を受けて対応方針を整理してくれるため、依頼者の方が慌てずに済みます。申告を依頼する際に確認しておくと安心です。
事前に書類を整理しておく
通帳のコピー、贈与に関する書類、保険の契約書など、申告に関連する書類をまとめておきましょう。「どこにあるか分からない」という状況を避けるだけで、当日の安心感が大きく変わります。
分からないことは「確認します」と答える
その場で曖昧に答えてしまうことが、後の混乱につながる場合があります。記憶が定かでないことは「確認してお伝えします」と伝えることが、誠実で正しい対応です。
一人で抱え込まない
税務調査は、専門家が一緒に対応することで、必要以上に不安にならずに済みます。連絡が来た段階で税理士に相談すれば、準備から当日の立ち会いまでサポートしてもらえます。
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調査を受けないためにできること
税務調査は、申告後に起こりうることのひとつです。完全に避けられるものではありませんが、正確な申告と丁寧な記録の積み重ねが、調査への対応力を高めてくれます。
調査につながりやすい状況
・財産の申告漏れや評価の誤り
・生前贈与の申告がされていない
・名義預金が整理されていない
・相続財産の規模が大きい
申告の際に大切なこと
・財産の漏れなく正確に申告する
・生前贈与の記録を残しておく
・名義預金を生前に整理しておく
・相続専門の税理士に依頼する
島村さんのように、誠実に申告されていれば必要以上に怖がることはありません。大切なのは、正確な申告と、何かあったときに一緒に対応してくれる専門家の存在です。
📋 まとめ
- ✦税務調査は「申告内容の確認」であり、連絡が来ても必要以上に不安になることはありません
- ✦名義預金や生前贈与など、確認されやすい項目を事前に把握しておくことが大切です
- ✦連絡が来たら、まず税理士に相談し、書類の準備や当日の立ち会いをお願いしましょう
- ✦申告時に税務代理権限証書を提出しておくと、事前通知を税理士のみに行うことができ、ご自身が突然連絡を受けて慌てずに済みます
- ✦正確な申告と信頼できる専門家との連携が、安心して相続を終えるための大きな支えになります。
★ 「税務調査の連絡が来て、どうすればいいか分からない」という方へ
調査への対応は、早めに専門家に相談することが何より大切です。書類の確認から当日の立ち会いまで、一緒に準備を進めましょう。
「まず話を聞いてほしい」というご相談も、どうぞお気軽にお問い合わせください。
たかやまあゆみ税理士事務所 女性相続support
税理士 たかやまあゆみ(相続専門の税理士 港区)
相続専門の税理士として、相続・事業承継をサポート。「難しい税務をわかりやすく」をモットーに、多くのご家族の相続に寄り添っています。