生前贈与の進め方

相続コラム

生前贈与の進め方のポイント

「元気なうちに、子や孫のために何かしておいてあげたい」というお話を、私たちはよくお聞きします。
生前贈与という方法に関心を持たれる方は少なくありませんが、贈与税の制度は近年改正などがあり、以前の知識だけで判断すると、将来の相続税の計算に想定外の影響を及ぼす可能性があります。
今回は、生前贈与を検討する際にまず知っておきたい制度の考え方、そしてご自身の暮らしを守りながら贈与を進めるためのポイント、順を追ってご紹介します。

💡 よくある誤解

生前贈与は、相続税の負担を抑えることだけが目的ではありません。相続税がかかるご家庭でも、かからないご家庭でも、「元気なうちに子や孫を支援したい」「自分の意思で生きているうちに財産を渡しておきたい」という場合に検討する方法の一つです。

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生前贈与とはどのようなものか

生前贈与とは、生きているうちに、贈る方と受け取る方の合意により、財産を無償で渡すことをいいます。相続が亡くなった後に財産を引き継ぐ仕組みであるのに対し、生前贈与は、ご本人の意思で、渡す相手や時期を選びながら進められる点が大きな違いです。財産を受け取る側にとっても、相続より前の必要なタイミングで親などから支援を受けられるという利点があります。

⚠️ 生前贈与を行う場合、贈与税が発生することがあります。財産の種類や金額、渡し方になどより取り扱いが異なるため、事前に専門家へ相談しながら進めることが大切です。

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暦年課税と相続時精算課税 ― 2024年からの変更点

現在の生前贈与には、主に「暦年課税」と「相続時精算課税」という2つの方法があります。2024年から制度が大きく変わっており、どちらを選ぶかによって将来の相続税への影響も異なります。単純に「年間110万円以内なら大丈夫」と考えるのではなく、ご自分の贈与にあった方法を選ぶことが大切です。

暦年課税

年間110万円の基礎控除があります。ただし、相続開始前の7年間に贈与された財産は「持ち戻し」の対象になり、相続税の計算に加算される仕組みがあるので注意が必要です。

相続時精算課税

2024年から年間110万円の基礎控除が新たに設けられ、相続のときにも「持ち戻し」にはなりません。ただし、一度選択すると、その贈与者からの贈与については暦年課税に戻ることができないので慎重に選びましょう。

⚠️ どちらの方法を選ぶかは、贈与のタイミングだけでなく、将来の相続まで見据えて判断することが大切です。制度は改正されることもあるため、実行前に必ず専門家へご確認ください。

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早めに検討することの意味

生前贈与は、ご判断能力がしっかりしている元気なうちにする必要がありますが、「早く贈与すれば必ず有利になる」というものではなく、前章でご紹介した制度の仕組みを踏まえたうえで、ご家庭に合った時期や贈与方法を選ぶことが大切です。

検討を先送りにすると

健康状態などによっては、ご本人の意思を確認することができなくなり、贈与すること自体が難しくなる場合があります。

早めに情報を整理しておくと

制度を理解し、誰にいくら、どの制度で贈与を行うのか、ご本人の考えやペースに合わせて進めていくことができます。

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まず確保しておきたいご自身の生活資金

生前贈与は無理をして行うものではありません。まず大切なのは、ご自身の日常の生活費に加え、医療・介護費、住まいの修繕費など、今後必要になり得る資金を確保しておくことです。そのうえで、余裕のある財産の中から「誰に、いつ、どのくらい渡したいか」を考えていくことをおすすめしています。

✦  贈与を急ぐあまり、ご自身の老後資金に不安を残してしまっては本末転倒です。

✦  まずはご自身の暮らしを守ったうえで、余裕のある範囲で検討することが、結果としてご家族皆様の安心につながります。

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贈与の事実を記録に残すためのポイント

実際に生前贈与を進めるにあたっては、いくつか気をつけておきたい点があります。焦って進めるのではなく、順を追って準備しておくことが大切です。

贈与契約書を作成する 「あげる」「もらう」という認識を明確にするため、贈与の内容や当事者の合意を確認できるよう、贈与契約書などの記録を残しておく

名義預金にならないよう注意する 預金を贈与する場合は、受け取った方が通帳・印鑑・暗証番号などを管理し、ご自身の判断で使える状態にしておく

贈与の方法をご家庭に合わせて選ぶ 暦年課税・相続時精算課税それぞれの特徴を踏まえ、専門家に相談しながら選択する

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ほかの相続人との関係にも注意

生前贈与を進める際には、将来の相続における「遺留分」との関係にも注意が必要です。特定の方への生前贈与は、時期や目的などによって、将来の遺留分をめぐる請求の対象となる場合があります。

⚠️ 相続人への生前贈与が、婚姻・養子縁組のための費用や生計の資本などに当たる場合は、「特別受益」として遺産分割の際に考慮されることがあります。

✦  生前贈与をきちんとした手続きでしていない場合には、後々のもめごとにつながりやすいです。

✦  早い段階でご家族に趣旨を伝え記録なども残しながら進めていくと、相続の際にのトラブルも抑えやすいでしょう。

📋 まとめ

  • 生前贈与は、相続税の節税だけでなく、ご本人の意思を形にする方法の一つ
  • 暦年課税と相続時精算課税は仕組みが異なり、2024年からの改正を踏まえて選ぶことが大切
  • まずはご自身の生活資金を確保したうえで、余裕のある範囲で検討する
  • 「贈与をするかどうか」も含め、ご家庭に合った方法を考えることが安心につながります。

★ 生前贈与について、一緒に考えませんか

「そろそろ子や孫のために何かしておきたいけれど、何から始めればよいかわからない」という方は少なくありません。

生前贈与をするかどうかも含め、ご資産やご家族の状況、ご本人のこれからの暮らしを踏まえて一緒に考えます。相続に関するご相談は、どうぞお気軽にたかやまあゆみ税理士事務所までお問い合わせください。

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たかやまあゆみ税理士事務所 女性相続support

税理士 たかやまあゆみ(港区・品川駅/相続専門税理士)

相続専門の税理士として、相続・事業承継をサポート。「難しい税務をわかりやすく」をモットーに、多くのご家族の相続に寄り添っています。