こんなにお世話をしてきたのに・・財産は一切もらえない!?

相続コラム

「特別寄与料」を請求できるのは誰か ― 親族の範囲に注意したい制度のお話

「長年、義理の親の介護を一手に引き受けてきたのに、相続では何も受け取れないのでしょうか」というご相談を、ときどきお受けします。
一生懸命に身の回りのお世話をされてきた方ほど、ご自身の貢献が報われてほしいと願うのは自然なことです。
そうした声に応えるためにできたのが「特別寄与料」という制度ですが、実はこの制度、請求できる方の範囲があらかじめ法律で決められており、誰にでも門戸が開かれているわけではありません。
今回は、特別寄与料を請求できるのはどのような立場の方なのか、そして対象から外れてしまう方にはどのような備えが考えられるか、順を追って整理していきます。

💡 事例

「献身的にお世話をされた方には、その分の権利が当然に認められるはず」というイメージをお持ちの方は少なくありません。しかし特別寄与料は、あくまで法律で定められた「親族」という枠組みの中で認められる制度です。どれだけ深く貢献されていたとしても、その方が制度上の「親族」に当てはまらなければ、この制度による請求は認められません。まずはこの前提を正しく知っていただくことが、余計な行き違いを防ぐ第一歩になります。

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特別寄与料とはどのような制度か

特別寄与料は、相続人ではないご親族が、亡くなった方に対して無償で療養看護や介護、家業のお手伝いなどの労務を提供し、その財産の維持や増加に特別な貢献をされていた場合に、相続人に対して金銭の支払いを請求できるようにする制度です。以前は、相続人ではない方がどれほど尽力されても、その貢献を遺産分割の中で直接に反映する仕組みがありませんでした。この制度は、そうした事情を汲み取るために設けられたものです。

⚠️ 特別寄与料は、遺産分割そのものに参加する権利ではなく、相続人に対して金銭の支払いを求める請求権という性質のものです。この点は誤解されやすいため、あらかじめ押さえておくと安心です。

なお、この金額は自動的に決まるものではなく、相続人との話し合いで折り合いがつかない場合には、家庭裁判所に調停・審判を申し立てて金額を定めることになります。

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請求できる「親族」の範囲

特別寄与料を請求できるのは、法律上の「親族」(6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族)に該当する方に限られます。具体的には、亡くなった方の血縁関係にある方や、婚姻によって結びついたご親戚などが対象となります。一方で、どれほど家族同然のお付き合いをされていた方であっても、法律上の親族に含まれない場合は、この制度の対象にはなりません。

対象になりうる方

子の配偶者(お嫁さん・お婿さん)、甥・姪、義理の兄弟姉妹など、法律上の親族にあたる方

対象にならない方

内縁関係にあった方、ご友人・ご近所の方、介護ヘルパーなど契約に基づき報酬を受けて業務を行う専門職の方

⚠️ 長年連れ添った内縁の配偶者や、家族のように親身に支えてくださったご友人であっても、法律上の親族に該当しなければ、特別寄与料の請求はできません。

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なぜ親族以外の方は対象外なのか

この制度が親族に限定されている背景には、相続をめぐる話し合いをできるだけ整理された枠組みの中で進められるようにする、という考え方があります。貢献の度合いを客観的に測ることが難しい中で、請求できる方の範囲が際限なく広がってしまうと、相続人の間での話し合いがまとまりにくくなり、かえって皆様の負担が増えてしまう可能性があります。そのため、法律上の親族という一定の線引きが設けられているのです。

✦  親族以外の方の貢献が軽視されているわけではなく、別の形でその気持ちに応える方法が用意されているとお考えいただけると安心です。

✦  次の章でご紹介するように、生前のうちに意思表示をしておくことで、この制度の枠に縛られずにお気持ちを形にすることができます。

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親族以外の方にできる生前からの備え

内縁の配偶者やご友人、専門職の方など、特別寄与料の対象に含まれない方にお気持ちを残したいという場合は、生前のうちに準備をしておくことで、その想いを形にすることができます。代表的な方法を整理してみましょう。

遺言書を作成し、お世話になった方へ財産を遺すという意思をあらかじめ明確にしておく

生命保険の受取人としてあらかじめ指定し、感謝の気持ちを直接届けられるようにしておく

ご家族に日頃からその方への感謝や希望を伝えておき、遺言の内容についてご家族の理解を得やすくする

📋 まとめ

  • 特別寄与料は、相続人以外の親族が無償で療養看護等の貢献をした場合に金銭を請求できる制度
  • 対象はあくまで法律上の親族(6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族)に限られ、内縁関係の方やご友人、専門職の方は対象外
  • 対象外の方には、遺言や生命保険の受取人指定など、生前からできる備えがある
  • 制度の範囲を早めに知っておくことが、大切な方への感謝を確実に届ける近道です。

★ お世話になった方への想い、形にしませんか

「お世話になった方に何かを残したい」というお気持ちは、生前の準備によって確実に形にすることができます。特別寄与料の対象になるかどうかにかかわらず、ご家族の状況に合わせた方法をご提案いたします。

相続に関するご相談は、どうぞお気軽にたかやまあゆみ税理士事務所までお問い合わせください。

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たかやまあゆみ税理士事務所 女性相続support

税理士 たかやまあゆみ(港区 品川駅 相続専門税理士)

相続専門の税理士として、相続・事業承継をサポート。「難しい税務をわかりやすく」をモットーに、多くのご家族の相続に寄り添っています。