相続した空き家、そのままにしておくとどうなるか・・?

相続した空き家のイメージ

相続コラム

相続した空き家、そのままにしておくとどうなるか ― 早めに考えたいこれからの選択肢

「実家を相続したけれど、住む人がいなくて、そのままになっている」というお話をよくお聞きします。 思い出がたくさん詰まったご実家を手放すのは、なんだか気が引けてしまうものですし、日々のお忙しさの中でつい後回しになってしまうことも珍しくありません。 とはいえ、空き家となったご実家をそのままにしていますと、時間が経つにつれて建物の傷みが少しずつ進んだり、思いがけない管理の手間や費用がかかってしまったりすることがあります。 今回は、相続した空き家をそのままにしておくと、これからどのようなことが起こりうるのか、そして早めに考えておきたい選択肢にはどのようなものがあるのか、順を追ってご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

 

💡 よくある誤解

「今のところ特に困っていないから、このままで大丈夫」と思われる方は少なくありません。実際、空き家をそのままにしていても、すぐに大きな問題が起きるわけではないため、対応を先送りにしてしまうのも無理はないことです。ただ、空き家は人が住まなくなった時点から、少しずつ、しかし確実に状態が変化していきます。早めに現状を見つめ直し、これからの選択肢を整理しておくことが、後々のご負担を軽くすることにつながります。

1 空き家をそのままにしておくとどうなるか

人が住まなくなった建物は、風通しや湿気の管理が行き届きにくくなり、内部の傷みが少しずつ進みやすくなります。庭木や雑草の手入れが行われないままになると、近隣の景観や防犯の面でも心配な点が出てきます。また、台風や地震などをきっかけに屋根材や外壁の一部が破損し、落下などにより近隣へ影響が生じる可能性もあります。

⚠️ 倒壊のおそれや衛生上の問題など、周囲に著しい悪影響を及ぼしていると判断された空き家は、自治体から「特定空家等」に該当すると判断され、指導や勧告の対象となることがあります。また、2023年12月に施行された改正空家法では、特定空家等になるおそれのある状態として「管理不全空家等」という区分が新たに設けられ、窓や壁が壊れているなど管理が不十分な空き家についても、指導・勧告の対象に含まれるようになりました。特定空家等・管理不全空家等のいずれについても、勧告を受けると住宅用地に対する固定資産税の特例措置が受けられなくなり、固定資産税の負担が大きく増える可能性があります。

2 税務面で知っておきたいこと

住宅の敷地には、一定の要件のもと固定資産税の負担を軽減する「住宅用地の特例」があります。空き家の状態が長く続き、特定空家等・管理不全空家等として自治体から勧告を受けると、この特例の対象から外れてしまう可能性があります。
また、将来的に空き家を売却する際には、一定の要件を満たすことで、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる「空き家の譲渡所得の特別控除」を活用できる場合があります。なお、この特例には、対象となる家屋や売却方法、売却金額などについて複数の要件があります。ただし、2024年以後の譲渡については、その家屋・敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、控除額は1人あたり最高2,000万円となります。この特例には売却期限があり、原則として相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。なお、この制度は2027年12月31日までの譲渡が対象です。売却を考えている場合には早めに適用要件を確認しておくことが大切です。

空き家のままにしておくと

建物の傷みが少しずつ進み、管理の手間や費用がかさみやすくなります。税制上の優遇を受けられなくなる可能性もあります。

早めに検討・行動すると

活用や売却など選択肢が広がり、負担を軽くしながら、税務上の特例も活かせる可能性が高まります。

3 空き家について検討したい主な選択肢

空き家をこれからどうするかについては、ご家族それぞれのご事情やお気持ちに応じて、いくつかの選択肢があります。すぐに結論を出す必要はありませんが、早めに選択肢を整理しておくことが、納得のいく判断につながります。

a

現状を把握する
建物の状態や立地、権利関係を確認し、活用・売却・解体など、どの選択肢が現実的か整理しましょう。

b

ご家族で話し合う
誰がどのように関わっていくか、思い出の詰まったお家をどうしたいか、ご家族の想いをすり合わせていきましょう。

c

専門家に相談する
税務・法務・不動産など、必要に応じてそれぞれの専門家に相談し、ご家庭に合った進め方を整理しましょう。

4 共有名義のまま放置するリスク

相続人が複数いる場合、遺産分割がまとまらないまま、実家が相続人間の共有状態となっているケースがあります。不動産全体を売却する場合には原則として共有者全員の同意が必要となり、活用方法によっても共有者間での調整が必要になります。時間が経つほど関係者が増えたり、意向がまとまりにくくなったりすることもあるため、早い段階で方向性を話し合っておくことが大切です。なお、2024年4月から相続登記が義務化され、相続により不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に登記する必要があります。2024年4月1日より前に発生した相続についても義務化の対象となり、原則として2027年3月31日までに登記する必要があります。実家の名義変更をまだ済ませていない場合は、この機会にあわせてご確認いただくことをおすすめします。

⚠️ 共有状態のまま長い時間が経過すると、相続人の一部が亡くなり、さらに次の世代へと権利が引き継がれ、話し合いに関わる方が増えていくことが多いので注意が必要です。

✦  共有状態そのものが直ちに問題、というわけではありませんが、長期化するほど関係者間の調整が複雑になる可能性があるのです。

📋 まとめ

  • 相続した空き家をそのままにしておくと、建物の傷みや管理負担が大きくなっていきます。
  • 適切な管理が行われないと、税制上の優遇が受けられなくなる可能性があります。
  • 活用・売却・解体など、選択肢を知り、話し合っておくことが大切です。
  • 早めに現状を確認し、今後の方向性を整理することが、空き家を長期間放置しないための第一歩です。

★ 実家の今後について、一緒に考えませんか・・?

「空き家のまま何年も手つかずになっている」「そろそろ実家のことを考えたいけれど、何から始めればよいかわからない」という方は少なくありません。

税務上の整理を行いながら、必要に応じて不動産・法務の専門家とも連携し、無理のない進め方をご提案いたします。相続に関するご相談は、お気軽にたかやまあゆみ税理士事務所までお問い合わせください。

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たかやまあゆみ税理士事務所 女性相続support

税理士 たかやまあゆみ(港区 品川駅 相続専門税理士)

相続専門の税理士として、相続税申告・生前対策・事業承継などをサポート。「難しい税務をわかりやすく」をモットーに活動しています。